筋ジストロフィーについて
青森病院は「筋ジストロフィー」に関する専門部門を持つ青森県で唯一の施設です。
筋ジストロフィーの患者さんに入院治療の場を提供すると同時に、在宅療養中の筋ジストロフィーの患者さんや家族の方のお役に立てるよう日々努力しております。
筋ジストロフィーとは、全身の筋肉の力が次第に弱くなっていく病気です。
筋肉を作る設計図の一部に問題があるため、筋肉が非常に壊れやすくなっていることが原因です。
いくつかのタイプに分かれますが、小児期に発症するデュシェンヌ型が代表的です。成人で最も多いのは、筋強直性ジストロフィーです。
筋ジストロフィーと診断されてお困りの方も、筋ジストロフィーが疑われる方も、遠慮されることなく、当院までご連絡下さい。
筋ジストロフィーでは、手足だけではなく、呼吸や心臓、飲み込みやお喋りに関わる筋肉も障害されることが多いため、定期的なチェックを行って、問題が生じているようであれば、それに適宜対処していくことが大切です。
当院では、筋ジストロフィーの患者さんが短期入院をして、全身の状態を一通り検査する機会を用意しています。これにより、病気のタイプや時期、重症度に基づいた適切な治療やケアを行うことが目的です。人工呼吸器療法の専門家である臨床工学士や呼吸療法認定士、摂食・嚥下に関するエキスパートである言語療法士、リハビリテーションのみならず各種装具やコミュニケーションエイドなど幅広い対応が可能な理学療法士・作業療法士、医療・福祉の情報提供を行いより安心でより快適な入院・在宅生活をお送りいただくための支援の提供を目指す生活指導員やソーシャルワーカーが、専門の医師・看護師とともに、皆様のサポートをさせて戴きます。
筋ジストロフィーは、まだ根本原因の全てが解明されるまでには到っていませんが、近年の著しい研究の成果により、治療研究が臨床試験の段階に入りました。
現在、世界各国で、臨床試験・治験を円滑に進めることを目的として、患者さんと製薬関連企業・研究者との橋渡しをする患者情報登録システムが構築されています。
我が国でも、ジストロフィノパチ―(デュシェンヌ型・ベッカー型筋ジストロフィー)と縁取り空砲を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)の患者さんの登録事業がREMUDYにより、福山型筋ジストロフィーの患者さんの登録事業が神経・筋疾患医学情報登録・管理機構(JDMA)により運営されており、多くの患者さんが登録されています。2014年の10月からは、大阪大学医学部の神経内科学教室を窓口として、筋強直性ジストロフィー患者さんの登録事業が開始される予定になっています。さらに、国内における臨床試験を実施できるように、日本全国の28施設からなる筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク(MDCTN)が設立されています。
当院もこのMDCTNに所属しており、筋ジストロフィーの皆様が一刻も早く治療が受けられるよう、体制を整えています。また、筋ジストロフィー研究班に所属して、筋ジストロフィー研究の一端を担うとともに、医療情報の発信や医療レベルの向上に努めないと思っています。
皆様、お気軽にご相談下さい。
神経・筋疾患患者登録Remudyのホームページ http://www.remudy.jp/
筋強直性ジストロフィー患者登録サイト (木村班) http://www.remudy.jp/myotonic/index.html
福山型筋ジストロフィー患者登録サイト (JSMD) http://www.jmda.or.jp/kiko/
筋強直性ジストロフィーの臨床情報サイト (松村班) http://plaza.umin.ac.jp/~DM-CTG/